コラボチームのことを書きたくてなかなか書けなくて、今に至ります。
今年度、さとのたねでは、四街道市のコラボ採択事業に申請し、冊子作り、パンフレット作り、里山ワークショップ、オープンデイウィークの開催などの準備を進めています。
これ、ここまで言葉にするとなんて薄っぺらな、と思います。
申請までの道のり、申請が終わってからの冊子作り、パンフ作りまでの道のり、どこをとっても私からしたら、彼女たちのドラマなくしては語れないからです。
しかもそれは現在進行形で今もメンバーが向き合い続けていることです。
皆さんのお手元に冊子やパンフが届くときには「思い」が「形」となっていることかと思いますが、私はいつも見えないところでの彼女たちの奮闘と、幾度となく道を見失いかけながらも、自分自身へ向き合い続けた彼女たちの在り様を、を忘れたくないと思っています。
そもそも、私はこのコラボ事業なるもの、何年も前から知っていましたが、なぜ申請をしてこなかったかと言えば、簡単に言ってしまえば、非常に煩雑だからです。
そして私は根っからのめんどくさがり屋。
広く外に向けて、さとのたねの「子供を真ん中に人が互いに認め合う」「共に地域の中で育ち合う」「心に寄り添う」という根っこを培うための種まきをする手法の一つとして、果たしてこれが本当の意味での種まきになるのか、どれだけの効果があるのか疑問でした。
(今も若干疑問ですが…)
単なるイベントで、当たり障りない繋がり、をお届けしたいわけじゃない。
やるなら、何か心の奥にひっかかるような、もう少し深いところで、お届けしたい。
それがこのコラボ事業でできるのかどうか。
そして、私の中で何より大事だったことは、日々の保育を共にするお母さんたちがたくさんの縛りのある中で、楽しみながら、進めていけるかどうか、ということでした。
さとのたねでは、これまでお母さんたちや保育スタッフが発案してきた、伝える、広げるための講演会も電子書籍作りもすべて自前でやってきました。
私も数年前に柴田愛子さんの講演会を行うために、さとたね内で講演会チームを作り、右も左もわからないまま、初めての作業を一からやりましたが、あれは、ほんとにほんとに、楽しかったんです。
お金もない、市のお墨付きがないから会場も簡単には押さえられない、チラシの配布も任意団体だからそうたやすく市を通じて配れない。
でも、準備から、当日までほんとに楽しかった。
課題はたくさんあったけれど、自分たちで作っていく楽しさと縛りがないからこその発想はどこまでも自由だったし、心と頭と体を動かせば形になる、ということがわかりました。
何よりも、ミーティングを重ねるたびにわくわく感が募っていきました。
当日は参加者もキャンセル待ちが出るほどで、愛子さんにお渡しする謝礼も当初の予想を上回る額をお渡しすることができました。
あくまでも子供たちとの日々が真ん中であり、技量的にも精いっぱいな私たちにしてみれば、
「保育+α」のことは、自分たちのエネルギーになる、やりたいこと、ということが、私の中で鉄則でした。
「○○のために」、なんてことは私にはおこがましいです。
自分たちがおもしろい、楽しい、泣けちゃうほど心が動く、っていうことが原動力となって、初めて人の心に何かしら伝わるものがあるのじゃないかなと思うのです。
それでも、どう受け取るか、はその人次第。
伝わっても伝わらなくてもいい、くらいに思っています。
かといって、形にするなら、体裁のいい上っ面のようなものは届けたくない。
さて、コラボ事業は、と考えた時に、きっと色んな足かせとハードルが課せられる中で、お母さんたちが、楽しんでやれるだろうか、というとこでした。
始める前に何度も覚悟を問うこともありました。
おそらくその覚悟もなにやらわからないままだったと思います。
人って実際やってみないとわかりませんからね(笑)
でも、そこから、もともと「さとたねマインドを世界に届けるプロジェクト」と称して動き出していた二人のお母さんが発起人となり、同志を募り、始まったわけですが、、、
これが、やっぱり簡単じゃなかった、というわけです。
時間にも余裕がなく、子育てにもまだまだ手がかかる現役中心のお母さんたちがほとんど。
ほんとに寝る間を惜しんで、という時もあっただろうし、それを見かねて周りが子供を預かるから専念してね、と申し出てくれた母たちもいました。
OB,現役という区分けなく、やりたい、関わりたいと集まったメンバーですが、お互いがお互いのことをよくわかっている、というところからのスタートではありません。
互いのことを知る、という時間も同時に積み重ねなくてはならない、かつ、申請書、冊子作り、パンフと、迫りくる締め切りと、事務的業務に、アイディアを絞り出すことに、常に追われながらの作業。
思いを形にする、一から形を作っていくって、ほんとに大変。
大変なんだけど、途中で投げ出せないからしんどいんですよね。
さとたねでやってることなら、やめていいよ、と言えちゃうことが言えないわけで(笑)
それぞれの感性と個性とを、どこまでを許容して、どこまで線引きして、認め合っていくのか。
何かを共に作っていくときって、何を作るかより、そこにいる人たちがお互いの違いをどう認め合って、事を進めていくのか、に尽きると思います。
最近プロジェクトリーダーのすみちゃんがFacebookにも書いていましたが、
「チームワークは1日にしてならず」
ほんとにそうだったね、と思います。
しかも色んな囲いの中で、そこを作っていくって並大抵のことじゃないです。
でもね、色んな人がいる。違いを感じながら、繋がっていくことをあきらめなかった。
だから、パンフや冊子や申請書、どれをとっても愛がこもってる。
申請書に愛がこもってるっておかしいでしょ(笑)
でも、私は、リーダーすみちゃんの思いをふみえちゃんが丁寧に汲み取り、何度も対話を繰り返し、手掛けたコラボ事業「里山子育てと温かな繋がりを地域に届けるプロジェクト」の「目的、必要性、効果」が書かれたあの申請書こそが軸だと思っています。
あれがあったから、冊子もパンフもブレることなく、かつ、地域に広がる人たちのことまで思いを寄せて作り上げることができたんです。
7人のお母ちゃん有志。
1枚1枚のページのイメージから、構成、具体的な写真や文章のピックアップまで、練っては没になり、練っては没になりの繰り返しの中で、それでも思いを形にし続けた。
思いの食い違い。何度となく確かめるそれぞれの気持ち。
自分が手を加えるか、相手に任せるかの瀬戸際で行ったり来たり。
彼女たちのどこのやり取りを切り取り、思い出しても私は泣けます。
ちょっとお酒が欲しくなるくらいに。
多分この先も。
冊子やパンフは、四街道市において、今までにないものになったと思っています。
子育て中の母だけにとどまらず、教育、保育、子育て支援、地域社会、子供に関わるすべての大人に届けたい。
一人一人のありのままを認めていく関わり。
子供を真ん中に、自然、子育て、人を結ぶ。
しかも、ただ結ぶ、ではない、「繋がり」の意味を問い直す、深くてあったかい、
だけど、自分事として感じられるような何か身近にある気持ち、
一人一人の心に何かが沸き起こるような、そんな内容です。
彼女たちの奮闘は現在進行形。どうぞ、温かく見守ってください。
冊子やパンフ、もし手に取りましたら、これを手掛けたメンバーのこと、一瞬でもイメージしていただけたら幸いです。
また、この冊子、パンフに関わってくださったすべての皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。
さとのたね
代表 岸本 梓