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のやま組キャンプまでのあれこれ

駆け抜けた一学期が終わりました。前回の投稿から早2か月。

私の場合、「表現すること」自体が結構なストレスだったりするので、自分の中で練るにも、発信するにも時間がかかるしで、やっぱり後回し、な日が続いていました。

 

とにかく新たな動き、が入ってきた1学期。

自分のエネルギーが分散しないよう今ここに集中することでしかうまくバランスを取ることができなかったのもあります。

不器用は不器用なりに、優先順位を決めて取捨選択しないとね。

 

昼下がりごろんと寝ころび。窓から夏空を見上げれば、

なんかなんにもしなくても幸せだな~と思う今日この頃。

 

寝ころびながらもう一つ先に思いをはせてみる。

私が寝転がってるこの時間にもあの人もあの人も働いているのだな、と思うと、

うん。やっぱりありがたい。

 

忙しい忙しいとついつぶやいてしまうけれど、こうやって毎度長期休暇があるのだってなかなかありがたいことなのです。

 

ないないと思っていても、案外そばに転がってる幸せ。

ふと見上げた空に気づきがあったりするからまたありがたい。

 

夏休みに入ったので少し余裕もできたので感じていたこと、徒然なるままにアウトプットしていこうと思います。

 

数日前のFacebookにも書きましたが、1学期最終日に予定していたのやま組のキャンプが中止、9月に延期になりました。

 

のやま組の子どもたちと長い間話し合いを重ね、キャンプまでの道のりを旅してきたので、

単純に中止で、残念ですね、とはいきません。

 

子どもが残念がればやっぱりこちらまで胸が痛みます。

だって、あの子たちは自分たちで一つ一つ切り開いてきたんだもの。

 

二番組(年中児)の子たちは初めてのお泊りキャンプだったので、緊張していた子もいました。

「いけるかな、どうかな」

「泊まれるかな、でも大丈夫かな」

「行きたいな、でもママいないんだよね」

 

ミーティングを重ねる中、色んな葛藤がみえかくれします。

 

「じゃあさ、○○が一緒に寝てあげるよ」

「夜さ、好きなお人形とかぬいぐるみとかもってくるのはどう?」

「おばけが怖い人は、ドアから一番遠いとこに寝ればいいんじゃない?」

 

仲間の声にちょっとずつ勇気づけられます。

 

すでに家族の体調不良でお休みが決まっていた子もいたので、

ほんとはあの子と一緒がよかったけど、、、

「じゃ、Sと一緒の部屋がいい」と自分の安心どころを心揺らしながら決めていった子もいました。

 

だから二番組の子どもたちはそんなに気持ちは軽やかでなく、きっと意を決してのキャンプ。

 

一番組(年長)は、去年その葛藤を経験した子たち。

楽しみな気持ちのほうがずっと上回っているのでひるむことなく決めています。

 

去年泣く泣く世の中の都合で断念したRからは、

今度は!という気持ちがあちこちで伝わってきます。

 

だって、3日前にはもう荷物つめたんだんだって教えてくれたの。

だから、あとは当日リュックをもってくだけって。

 

天才的な釣り名人。体験を積み重ねたその手先と巧みさはみんなの憧れの的。

 

私が自前の釣り道具をRにみせたら、

「それじゃ釣れないよ、針が大きすぎる」とぴしゃり。

さすがです、師匠。

すぐさま針を川釣り用に変えました。

 

「練り餌は父ちゃんに作ってもらうんだ。」

その目はいつも好奇心に満ち溢れています。

 

キャンプの少し前に骨折したA。

行く気持ちではいるんだけど、心配事もあります。

 

彼がお家で書いてくれた心配事一覧を読み上げて前日にみんなで共有しました。

 

「おふろに入る時」「着替えの時」「片付け」…

が心配でできないかもしれないんだって。

どうする?

 

一個一個聞き取りながら、「それはおれが手伝う!」とR。

「ぼくがAのもう一つの腕になるよ」とAs。

そのやり取りを聞いてなんだかほっとした表情のA。

 

昨年揺れたAsは今年も去年同様ギリギリまで「行かない」気持ちでした。

前々日のある時、Asが決めたという顔をして「岸本さん、どうするか決めた」と言いに来ました。

 

「As、やっぱり行かないに決めた」

「そっかあ。決めたんだね。」

 

理由は、色々言っていたけれど、でも、一番の心配は、お母さんのことだったみたい。

 

「お母さんと一緒にいたい」

 

あ~今この瞬間はそうだよね、とも思います。

 

でも、去年Asが、キャンプに行っても真っ先に楽しむどころか安定感すらあったのを私は覚えていたので(夜もぐっすりで朝も一番最後まで寝てたり、、(笑))、

彼がどのくらいの気持ちでいるのか確かめるために少しいじわるな質問をしました。

 

「もしさ、ママは行ってほしいなとかさ、のやまのみんながAsと一緒がいいって言っても、

気持ちは変わらない?」

 

Asはそれでも、「変わらない」と言いました。

そうか、わかった、ということで、迎えたその日の子どもミーティング。

 

前々日には、部屋割りをみんなで決めて、

子供たちはサブバックの荷物をまとめなきゃいけないので、必要な持ち物何だった?という話をしていたところ、、、

 

みんなの前でも最初「行かないにした」と宣言したAだったのですが、

持ち物の話終盤、「ちょっと言いたいことがある」と。

 

「As、やっぱり行くにした」

というではないですか(笑)

 

どこらへんで決めた????(スタッフの心の声)

 

どれだけこどもたちと一緒に過ごしていても、わからないこともあります。

まさに、「そうきたか~」です。

 

でも、言い終えたAの顔はなんだか、すっきりしていました。

 

お母さんも大好き。でも、行きたい気持ちもあった。

その揺れの豊かさたるや。

 

ちなみに行く行かないの最終決定は自分ととことん向き合い子供が決めます。

 

ところが、です。

このコロナの状況、周りでも家庭内感染が増え、いつどこで足止めになるかわからない。

行ける子供が半分より少なくなったり、スタッフの一人でもいけなくなったらキャンプは中止になる。

 

そのことは事前に伝えていたけれど、事実ギリギリに中止判断をせざるを得なくなるとは。

子どもたちが受け止めるには時間がかかるだろうなとは思いました。

 

ほっとした子もいただろうけど、

きっと悔しかった子もいただろうなと思います。

それは大人が考える何十倍も。

 

急な決定をお母さんたちに伝え、お母さんたちに子どもの気持ちを受け止めてもらう。

スタッフはその先を繋ぐ。

 

お母さんたちも覚悟がいるんですよね。

そばでサポートする大人が覚悟と在り方を一番問われる。

 

子供が行かないと行った時、どう受け止めるか、

急な事態で行けなくなった時、どう折り合いをつけるか、

 

ほったらかすでもなく、前のめりになりすぎるでもなく、

揺れながら揺れながら、親が心を決めていく。

 

揺れることなくして覚悟が決まるわけないじゃないですか。

でも、どこかで腹をくくる。覚悟していく。

 

子育てってこれの繰り返し。

そのめんどくささから目を背けない。

 

痛みを共にしながら、歩むって簡単じゃないです。

 

信じて託さないと見えないこと、気づかないことがたくさんあります。

 

いろんなことを感じたここ数日でした。

子供たちの歩みと育ち、一人一人に物語が確かにあったこと、ここに記したくて。

そしてまた続きを紡いでいきます。

 

さとのたね

代表 岸本 梓